この記事では、ヒアリングフレイル という言葉について簡単に解説します。
はじめに、あなたの大切なご家族の中で、
・話しかけても反応しなくなった。
・外出することがおっくうになった。
・以前よりも怒りっぽくなった。
という方はいませんか?
あなたの大切な方が、以前と比べてこのような様子の変化がみられる場合、もしかしたら、それは認知症ではなく、ヒアリングフレイルかもしれません。
ヒアリングフレイルとは何か?
ヒアリングフレイルとは、
耳の虚弱(聞き取る機能の衰え)のことを指します。
「ヒアリングフレイル」とは、聴覚機能の低下によるコミュニケーションの問題やQOL低下などを含み、身体の衰え(フレイル)の一つです。
聴覚機能の低下が認知症診断結果の過小評価に繋がる可能性などをわかりやすく伝えるために、東京大学名誉教授/一般社団法人高齢者社会共創センター センター長である秋山弘子先生の協力の元、聴脳科学総合研究所 中石所長により示された新しい概念です。
引用元:ヒアリングフレイル(ユニバーサル・サウンドデザインさんHPより)
このヒアリングフレイルは、フレイルという概念の中でさらに細分化され、耳に特化されています。
そもそもフレイルについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
ヒアリングフレイルの主な特徴
ヒアリングフレイルは、その対象となる方が、聴覚機能の低下によって耳の聞こえが悪くなったことで、
・周りとのコミュニケーションが難しくなる。
・部屋に引きこもるようになる。
・聞こえたフリをする。
というような様子の変化がみられるようになります。
このような様子の変化に、ご家族は「認知症になってしまったのではないか」と疑ってしまい、そのように接してしまうようになります。
そうすると、ご本人としては納得できず、さらに周りとの距離を置くようになり、コミュニケーションがますます難しくなってしまいます。
このヒアリングフレイルは、耳の聞こえが悪くなったことで、自ら周りとの接点を拒んでしまうことが多いので、ご家族としては、認知症と勘違いしやすい特徴があります。
ヒアリングフレイルを予防しよう
聴力機能の衰えに対して自覚はあっても、それがきっかけでヒアリングフレイル になっていることまでは、ご本人は気づきにくいものです。
ですが、このヒアリングフレイルは、ご家族の支えがあれば、以下の手段で進行を防ぐができます。
・ご家族による早期発見
普段から積極的に会話などのコミュニケーションを取ることで、様子の変化にいち早く気がつくことができます。
・早めの受診と相談
「耳が遠くなってきたな」と感じたら、早めに耳鼻科で相談するようにしましょう。
・スマートフォンなどのアプリを活用
最近では、スマートフォンなどのアプリがたくさんあり、簡単に聴力機能のチェックができます。ご家族みんなでこのようなアプリを活用することも、積極的なコミュニケーションの一つといえます。
また、ヒアリングフレイルという概念を提唱されている大元のサイトで、ヒアリングフレイルチェックができます。
こちらのサイトでは、さらに詳しく内容を知ることができるので、ぜひご覧ください。
外部リンク:ヒアリングフレイル(ユニバーサル・サウンドデザインさんHPより)
まとめ
この記事では「ヒアリングフレイルとは何か?認知症と疑うその前に」というテーマで、簡単に解説しました。
ヒアリングフレイルとは、
耳の虚弱(聞き取る機能の衰え)のことを指します。
ヒアリングフレイルは以下のような取り組みで予防ができます。
・ご家族による早期発見
・早めの受診と相談
・スマートフォンなどのアプリを活用
ヒアリングフレイルについては、大元のサイトがあります。
ぜひこちらのサイトでヒアリングフレイルチェックをしてみてください。
外部リンク:ヒアリングフレイル(ユニバーサル・サウンドデザインHPさんより)
最後に私の経験談として、介護施設を利用されている難聴の方は、笑顔の方が多い印象があります。
ですが、その多くの方が、自身の心境の理解を得られず、ご家族とのコミュニケーションが難しいとおっしゃいます。
このヒアリングフレイルという概念が、さらに広く知れ渡ることを願います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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