この記事は、現在「介護の仕事をされている方」や、これから「介護の仕事を就こうとしている方」に向けた内容です。
一般的に介護のお仕事をする上で「キャリアアップ」と聞くと、「資格の取得」をイメージされる方が多いと思います。
介護職員が取得する資格の中で、最も代表的なのが以下の3つです。
・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士資格
介護業界は、慢性的な人手不足といわれており、他の業種に比べ、年齢に関係なく、やる気さえあれば、無資格や未経験者でも従事しやすい業種です。
その一方で、利用者の「生活の場」を支える立場として、専門性も問われています。
ですので、最初は無資格で全くの未経験であっても、経験年数を重ねながら資格を取得していく、という方も非常に多いと思います。
実際、私自身がそうでした。
専門性の高い介護の仕事をする上で、「キャリアアップ」のために「資格の取得」を目指すことは、必須といえます。
ですが、はたして「資格を取得」するだけで、実際の介護現場は務まるのでしょうか。
どんなに個人的なスキルが高く、たくさんの資格を保有していても、介護施設では「チームワーク」が求められます。
そこには介護職員だけでなく、看護職員や施設の相談員、場合によっては理学療法士やケアマネージャーなど、多くの専門職が組織となって、一体的にケアに当たります。
特にこの仕事は、経験年数を重ねれば重ねるほどに、現場からは頼られるようになり、場合によっては介護主任やチームリーダー、管理者や施設長などの役職を求められることになります。
そのような状況の中で、いざ重要な職務や役職についたものの、職員間の人間関係や、家族やケアマネージャーとうまくコミュニケーションが取れず、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような環境や状況になっても、せっかく自身の資格取得のために学んだ知識やスキルを、現場で遠慮なく実践するために、とても参考になる書籍を3つご紹介します。
介護の仕事でキャリアアップを目指すなら読んで損はない書籍3選
チームのリーダーに任命されたらぜひ読もう!
私が最初にオススメするのは、「マンガでわかる介護リーダーのしごと」です。
この書籍は、三好貴之さんが執筆され、國廣幸亜さんがマンガにされた、介護現場におけるリーダーの役割や仕事内容を、マンガ形式でわかりやすく解説された書籍です。
この書籍は、介護現場で働くスタッフが直面する様々な問題や課題を、リーダーがどのように解決し、チームをまとめていくかということを、具体的なエピソードを交えて描かれています。
また、リーダーに必要なスキルや考え方、コミュニケーションの重要性なども説明されています。
読みやすいマンガ形式であるため、介護現場に限らず、リーダーシップやチームマネジメントに興味のある方にも、オススメの書籍です。
私がこの書籍に出会ったのは、ショートステイの管理者になったばかりの頃で、ある職員からススメられ、「貸してもらって読んだ」と記憶しています。
当時の私の立場や状況においても、まさにドンピシャな内容で、のちに自身でも購入し、介護主任たちに共有し、実践しました。
施設の相談員に求められている業務はコレです!
次にオススメするのが、「よくわかる!介護施設での生活相談員の仕事」です。
この書籍は、田中大吾さんが執筆された、生活相談員の仕事について詳しく解説された書籍です。
この書籍は、生活相談員の業務内容や役割、必要なスキルや知識、コミュニケーションの重要性など、実務に即した具体的な情報をわかりやすくまとめられています。
また、利用者の個性やニーズに合わせたサポート方法や、家族とのコミュニケーション、チームアプローチなど、実際に現場で役立つアドバイスやノウハウも紹介されています。
これからこの職種に就きたい方や、すでに従事されている方、さらにスキルアップを目指したい方にも役立つ情報が満載です。
全体的に、わかりやすい文章と具体的な例が豊富であり、初心者でも理解しやすい内容になっています。
生活相談員の仕事に興味がある方や、介護に関する知識を深めたい方にもオススメの一冊です。
私がこの書籍に出会ったきっかけは、実際に介護施設の「いち生活相談員」として従事している頃に、著者本人が登壇された職場研修の機会でした。
この書籍を読む前に、著者の方に直接お会いしているわけですから、当然のことながら、書籍の中身は間違いなく素晴らしい内容でした。
生活相談員の仕事について、ここまで詳しく書かれた書籍は、他に思い当たりません。
利用者と家族の気持ちがわかります!
最後にオススメするのは、「マンガでわかる介護入門」です。
この書籍は、なんと言っても「中田敦彦のYouTube大学」で、中田敦彦さんが紹介された書籍なので、すでに読まれた方も多いでしょう。
この書籍は、イラストレーターである、上田惣子さん自身のエピソードから始まります。
本編は、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが監修のもと、さまざまなインタビューをもとにまとめられ、介護保険制度について、マンガ形式でわかりやすく解説した書籍です。
・親が突然倒れたら、「要介護認定」を取得してください!
・親が地方に住んでいる場合は、介護保険と民間サービスを使い倒そう!
などなど、いつかは誰もがその状況におかれ、その時になってはじめて悩みそうな場面が描かれおり、事前に備えられる的確なアドバイスや、解決策が示されています。
実際に、介護離職が問題となっている中、介護者である家族自身が「仕事」も「自分の人生」も諦めない介護を目指すために、さまざまな場面での対処方法を知ることができ、その備えができる指南書といえます。
私自身が介護現場で日々感じていたのが、介護の専門職と、利用者や家族との認識のズレや理解度の違いです。
介護保険制度は、介護の専門職にとっては当たり前の知識であっても、利用者や家族にとっては、とても複雑な制度だと思います。
私自身もそうですが、実際に当事者となったり、問題となったりするまでは、日常生活の中であまり深く考えることはないでしょう。
そのような、日常生活の中ではあまり馴染みのない「介護」という分野について、利用者の家族視点で、ここまでわかりやすく解説された書籍は、他にないと思います。
この書籍こそ、ぜひこの仕事に従事する方が読むことによって、制度を反復するだけでなく、利用者家族の気持ちがわかることで、利用者に寄り添った、利用者本位のより良いケアができるようになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
介護の仕事は、専門性の高い業種ですが、資格や身体的な介護技術の習得が先行しているように思います。
もちろんとても大事なことですが、それだけではないはずです。
介護の仕事は、資格を取って終わりではなく、その資格を活かして、「チームワーク」で利用者のケアに当たることになります。
そのケアは心身ともに、利用者本位でなくてはなりません。
そのために、まずは各々が、日々学びを深める必要があります。
学びを深めるために少しだけ視野を広げると、専門書だけでは学べない情報がたくさんあることがわかります。
今回ご紹介したのは、そのうちのほんの一握りです。
私自身も日々勉強中です。
学びに終わりはありません。
「生涯学習」です。
これからも一緒に学びを深め、介護業界をみんなで支えていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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