【今さら聞けない】総合事業って何!?総合事業がざっくりとわかる3つの視点

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総合事業
UnsplashのDominik Langeが撮影した写真

この記事にご興味いただいたということは、あなたは「総合事業」という言葉を耳にして、「わからないこと」や「疑問」などをお持ちになられ、この記事以外にも、たくさんお調べになられていることでしょう。

この記事では、そのようなあなたに、総合事業が本格的にスタートした、平成29年4月から令和4年12月までの約6年間、総合事業に力を入れていたデイサービスで、実際に窓口業務を行っていた私が、厚生労働省のホームページの資料をもとに、独自の視点と実例をふまえて、なるべくわかりやすく解説します。

この記事をお読みいただくだけで、総合事業についてざっくりと理解するだけでなく、お住まいの事業内容が気になるようになるでしょう。

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」厚生労働省ホームページ

総合事業がざっくりとわかる3つの視点がこちらです。

1.目指せ地域包括ケアシステム

2.システム構築の真っ只中

3.あなたの地域では

という視点です。

この3つの視点を意識しながら読み進めることで、お住まいの地域の現状と重なり、より理解度が高まります。

では、ひとつずつ解説していきます。

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目指せ地域包括ケアシステム

UnsplashAndreas Gücklhornが撮影した写真

総合事業とは、

市町村が中心となって取り組む介護保険

と考えると、わかりやすいです。

そもそも「介護保険」についてわからない方は、こちらの記事をお読みいただいてからの方が、より理解が深まりますので、参考にしてください。

市町村が中心となって取り組む介護保険

とはどういうことかというと、全国の地域を市町村単位でみた場合、その地域に暮らす総人口が10万人以上のところもあれば、1万人に満たない地域もあり、その人数によって、その地域が抱える問題や課題は、当然ながら異なります。

その問題や課題を解決するために、全国一律の介護保険では、まかないきれないのが現状です。

そこで、「市町村単位」であれば、その地域特有の独自性や、地域住民が求めているニーズなどが、より深くわかるので、その問題や課題に対して「直接向き合える」という考え方です。

この事業の正式名称が、

介護予防・日常生活支援総合事

といいます。

通称「総合事業」(以下:事業)のことです。

この事業は、平成27年度からの移行期間を経て、平成29年度から、全国全ての市町村で本格的にスタートしました。

この事業の「ねらい」は、

団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを、人生の最後まで続けることができるよう、お住まいから、30分以内の範囲で、医療や介護、生活支援などの必要なサービスが、全て受けられること。

とあります。

つまり、ご自宅などのお住まいを中心として、

・病気になったら、安心して病院受診ができる

・介護が必要となったら、いつでも介護サービスの利用ができる

・いつまでも元気に暮らすために、生活支援や介護予防活動が充実している

というような環境やしくみづくりを、目指しているということです。

一見すると、この環境やしくみは、もうすでに当たり前にありそうですが、もともと全国一律で運営していた介護保険の一部を、わざわざ市町村単位に分けて、独立した事業にしたということは、上記のような環境やしくみが、当たり前にない地域が多いということです。

この当たり前にあるべき環境やしくみ、あるべき姿のことを、

地域包括ケアシステム

といいます。

そして、この事業の一番大きな特徴が、今までの「要支援者」の「位置づけ」です。

介護保険の中で、もともと要支援1から利用できた「介護予防事業」のうち、「ヘルパー」と「デイサービス」が、この事業の一つである、

地域支援事業

という枠組みに移行されました。

さらに細かく見ていくと、要支援者の多様な生活支援のニーズに対して、今まで相当のサービスのほかに、

多様なサービス

として分けられました。

具体的には、

・専門職の人員基準をゆるめ、ボランティアも含めた「サービスA

・ボランティアや住民が主体的に行う「サービスB

・保健師や医療の専門職が行う、3ヶ月(〜6ヶ月)程度の短期集中型の予防「サービスC

とあります。

ですので、今までのように、

要支援1以上の介護保険証を持っていれば、それだけで、ヘルパーやデイサービスの利用ができる

というようにはいかなくなりました

現在は、どの市町村でも、介護サービスを希望する方が、介護サービスを利用する前に、その方にとって、本当に必要な介護サービスを、より細かく引き出して、「多様なサービスA・B・C」に当てはめていく、という流れが基本となりました。

この過程のことを、

介護予防ケアマネジメント

といいます。

そして、要介護1〜5の方に、「介護サービス計画書(通称:ケアプラン)」が必要であるように、要支援1〜5の方は、「介護予防サービス・支援計画表」が必要になります。

いずれにしても、私が直接携わる現場サイドでは、要支援者と要介護者で名称は異なりますが、どちらも大事な「プラン(計画書)」として取り扱います。

なぜなら、実際にサービスが開始されれば、例えばデイサービスなら、要支援の方も要介護の方も、同じ施設内の同じ空間におられますし、利用する側にとってみれば、実際にその方が望む、適切な介護サービスを受けることができれば、事業元や名称などは、普段はあまり意識しないのではないかと思います。

システム構築の真っ只中

UnsplashHans Eiskonenが撮影した写真

1.で、この事業の「ねらい」や要支援者の「位置づけ」について簡単に解説しました。

続いては、市町村ごとに抱える問題や課題が違うということは、市町村ごとに具体的な事業内容や取り組みは違う、ということをお伝えします。

何度も繰り返しますが、この事業は2025年を見据えて、平成29年4月から本格的にスタートした事業なので、実際には各市町村によって、

順調に移行できている市町村

・これから本格的に着手する市町村

・着手はしたもののまだまだ不十分な市町村

といったように、市町村によって、進捗状況にばらつきがあります。

また、

いつまでも元気に暮らすための生活支援介護予防活動

については、それこそ、市町村の規模や住民が求めているニーズが全く違うので、この記事では一律に解説はできません

ですので、私が住む地域での一例を簡単にご紹介します。

私の地域では、平成29年4月から今までの要支援者のほかに、

介護予防・生活支援サービス事業対象者

として、この事業の「事業対象者」が、デイサービスを利用するうようになりました。

この事業の対象者になるためには、要介護認定の申請は行わず、地域包括支援センターで、

基本チェックリスト

というものを用いて判断します。

表4 基本チェックリスト」厚生労働省ホームページより

このチェックリストに該当し、事業対象者になると、要支援1相当として、ヘルパーやデイサービスが、

利用できるようになります。

この時点で、(要介護の方のほかに)デイサービスを利用する方々を整理すると、

・今までの要支援者の方

・平成29年4月以降に、新たに要介護認定の申請を行い、要支援者となった方

事業対象者の方

がおりました。

それが、令和3年4月の介護保険改正に合わせ、私の地域の総合事業の内容も、大きく改正されました。

その結果、それまで事業対象者としてデイサービスに通われていた方は、介護認定の更新のタイミングで、利用の継続が不可となりました。

また、令和3年4月以降に、新たに要介護認定の申請を行い、要支援となった方は、今までのようにデイサービスを利用するのではなく、基本的には「多様なサービスA・B・C」のうち、どれかを選択するという流れになりました。

システムの変わり目ともあり、止むを得ないこととは思いますが、この改正によって、実際に介護サービスを利用されていた方が、困惑している場面が、少なからず見受けられました。

今後もシステム構築に向けての改正や、変更点は確実に見込まれますので、専門職としては、その変更点に柔軟に対応し、その都度、介護サービスの利用を希望される方や、現在利用されている方々に、わかりやすくご説明ができるように、心掛けたいものです。

あなたの地域では?

UnsplashChristian Lueが撮影した写真

総合事業とは、平成29年4月から、全国全ての市町村で本格的にスタートした、

市町村が中心となって取り組む介護保険

とお伝えしました。

それは、全国の地域を市町村単位でみた場合、その地域に暮らす総人口によって、抱える問題や課題が異なるので、その地域特有の独自性や、住民が求めているニーズなどを深く知る「市町村単位」であれば、「直接向き合える」という考え方です。

具体的には、要支援者の介護予防サービスが総合事業に移行し、今までの専門職の支援のほか、「多様なサービスA・B・C」として分けられました。

分けられたことによって、介護が必要になった方を、今までように専門職だけが支援するのではなく、ボランティアや地域住民が主体的となって、支援ができるようになります。

その理想の姿が、

地域包括ケアシステム

です。

この事業は、その「地域包括ケアシステム」を構築するための事業であるということです。

令和5年の現在は、システム構築の真っ只中であり、それは、今後どのようなシステムになるかは、

各市町村とその地域住民の活動に委ねられている

ということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なるべく専門用語を使わず、わかりやすく解説することを心がけましたが、今回のテーマは、現在進行形で変化している事業についてでしたので、この記事では、明確な着地点を示すことはできませんでした。

ですが、せっかくあなたがご興味頂いたテーマであり、お住まいの地域に直結する内容ですので、ぜひ、この記事をきっかけに、お住まいの市町村窓口や、お近くの地域包括支援センターに、直接足をお運びになられて、ご自身のお住まいの地域では、

どのような取り組みや活動を行っているのか

お調べになられてみては、いかがでしょうか。

そして、もし差し支えなければ、あなたのお住まいの地域の取り組みや活動を、問い合わせフォームや各種SNSなどで、教えていただけるとうれしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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