こんにちは、あべです。
私は15年以上の介護業界の経験をもとに、毎日の実践や気づきをシェアしています。
今回は、令和3年度から本格稼働したLIFE(科学的介護情報システム)について、当初から触れてきた実務者の一人として、マニュアルだけではわからないリアルな体験と、特に重要だと思うことを記事にしました。
もし今、
- 「LIFEってよくわからない」
- 「加算は取ってるけど形だけ」
- 「これから導入するけど不安」
そんな気持ちを抱えているなら、このブログがあなたの背中を押すきっかけになればと思います。
はじめに
実はこの記事を書いた今も、私は半日型デイサービスでLIFE(科学的介護情報システム)と向き合いながら、試行錯誤を続けています。完璧には程遠く、むしろ「分からないことだらけ」と感じることのほうが多いです。
ただ一方で、科学的根拠に基づく介護が現場にもたらす可能性は確信できます。だからこそ、あなたと同じように「理解が追いつかない」「うまく活用できない」と感じている現場の仲間と、一緒に学び、成長していきたいと思っています。
私は令和3年度の法改正から、本格的に活用してきました。
今回は、これまでの経験と厚労省資料をベースに、LIFEの目的・仕組み・現場での工夫・迷いながら学ぶ姿勢を余すところなくまとめました。
LIFEとは? 科学的介護を共通言語へ
なぜ科学的介護が必要なのか
介護現場では、重ね積まれた経験が頼りになることもあります。でもその分、「ベテランと新人で差が生じる」「同じサービスでも結果に差が出る」といった悩みも生まれます。
LIFEはここに答えを見出します。全国共通指標を用いて、評価・データを見える化し、根拠あるケアを標準化する仕組み。これにより、誰が対応しても一定の質を保つ、科学的な介護が実現します。
LIFEの仕組みを押さえよう
LIFEはデータの蓄積量の分だけ応えてくれます。
- 利用者のADL、リハビリ、栄養・口腔状況などを入力
- データは全国平均や同規模事業所と比較され、フィードバックに
- 得られた結果を実務に活かすことで、ケアを改善していく
蓄積されたデータがそのままエビデンス(科学的根拠)になります。
PDCAを回す大切さ
LIFEの役割はPDCAサイクルを現場に根づかせることです。
- Plan:利用者の状態を把握し計画を策定
- Do:ケアを実行
- Check:LIFE提出とフィードバック確認
- Act:改善点に基づき対応を見直す
この流れを地道に続けることが、科学的介護を現場に定着させる鍵です。
厚労省のHPでは、これからLIFEを始める事業所の方向けに「LIFEスタートガイド[PDF形式][448KB]」が公開されています。
このガイドは、LIFEの全体像が分かりやすくまとめられているので、すでに実務に当たっている方が見ても、理解を深められるのでお勧めです。
手探りからのスタート(令和3年度)
初めて取り組んだ時の戸惑い
私の施設でも、最初は「加算のために数字を入力する」だけでした。内容も背景も見えず、「なんとなく準備して提出するだけ」の状態でした。
あれから数年経ち、少しずつ形を変えた取り組みがあります。
例えば、
- 入力役・チェック役を分けて分担化
- 評価基準(例えばBarthel Index※)の解釈に共通ルールを作る
- 既存ソフトデータを活用して手間を減らす
- 提出スケジュールを決めて業務に組み込む
こうした工夫から、LIFEは「作業」ではなく「ケアを振り返る機会へ」変わっていきました。
※厚労省では、【動画】Barthel Index(BI)の評価方法について(2021年4月21日公開)という動画が公開されています。
私の施設でも、最初は職員の理解度や評価基準があいまいで、個人差がありました。そこで、社内研修の場でこの動画を視聴する機会をつくり、基準の一体化を図りました。今でも判断に困ることはありますが、そんなときは、動画の内容を振り返りチームとして判断しています。
現場にPDCAを根づかせる
介護現場では、そもそも介護過程がPDCAそのものであり、日常的に展開されています。
そのプロセスを、オンライン上でより具体的に可視化されたものがLIFEであると私は考えます。
なので、情報が蓄積すればするほど、
- 定例会議でデータを共有し、具体的な改善を議論
- LIFE担当者の育成して、誰でも扱える体制に
- データをもとに成果を確認することで職員の意識が向上
が期待できます。
私の施設でも、まだまだ活用しきれてはいませんが、何より、見える数値が「チームの共通の目的」となり、職員のモチベーションを直接的に高まることは実感しています。
新システム導入(令和6年改正)レポート
新システムの改善点
システムが改善したポイントを3つに整理すると、
1. 操作性・利便性の向上
• 画面設計が直感的になり、入力や確認作業がスムーズに。
• Excel形式からWeb上でのフィードバック閲覧に変更され、即時性と視認性が向上。
2. PDCAサイクルの強化
• 利用者の状態やケアの成果を可視化するフィードバックが充実。
• 科学的根拠に基づいたケアの質向上と、継続的な改善が可能に。
3.データ提出・加算要件の見直し
• 提出項目の整理やタイミングの見直しにより、現場の業務負担が軽減。
• 加算取得のハードルが下がり、より多くの事業所が活用しやすくなった。
私の感想としては、新システムは旧システムよりも「使いやすくなった」だけでなく、データを活かす精度も向上したのが、大きな変化と感じています。
移行時に注意したこと
LIFE(科学的介護情報システム)は令和3年度に公式のシステムとして稼働しました。その3年後、多くの課題を解消するべく令和6年度法改正に合わせ、システムが一新されました。
それに伴い、厚労省からはシステムの移行が求められました。
その際に私の施設で行ったことは、
- データのバックアップ
- 過去データの遡り登録が必要かチームで共有
- 移行中も加算要件を確認する
- 厚労省のマニュアルや研修をしっかり活用
正直なところ、移行時は不安が大きく、職員たちとこまめに進捗状況を確認し合いました。その結果、しっかりと準備すれば、移行後に多少の混乱はあるものの、乗り越えられることを実感しました。過ぎてしまえば、この移行のおかげで、LIFEへの理解度がさらに深まりました。
フィードバックの活かし方
新システムになったことで、フィードバックの内容が大きく見直されました。
その結果、
- 見える化:数字で利用者の変化を振り返れる
- 比較:全国平均や同規模と比べて客観的に評価できる
- 改善:チームで具体策を立て、結果を確認できる
大前提として入力・提出だけではLIFEを使い切れていません。フィードバックを介して改善につなげることこそが、このシステムの真のねらいです。
学びを深める、導入するあなたへ
準備する3つのステップ
- ブラウザ・端末・ネット環境は問題ないかチェック
- 「入力担当」「チェック担当」「振り返り担当」を明確に
- 厚労省の公式資料や動画研修を活用する
毎日触れて、経験を積もう
- まずはADLなど基本項目の入力から
- フィードバック結果を少しずつ使って改善策を考える
- 少しずつ手を広げて慣れるスタイルでOK!
はじめて導入する・触れる場合は、特に不安が大きいと思います。ですが、私が始めた令和3年度から比べると、厚労省のHPがとても充実しています。
必要な情報が一つのページにまとめられているので、ぜひ一度チェックしてみてください。
まとめ
この記事のまとめ
- LIFEは「加算のため」ではなく、「ケア改善のためのツール」
- PDCAを少しずつ現場に根づかせていく
- フィードバックこそが現場に活かす鍵
- 理解不足や不安は当然。でも、学びながら進めることが大事
おわりに
私自身、まだLIFEについて「手探り」の状態です。迷いながら日々進んでいるからこそ、あなたの気持ちがわかります。
だからこそお伝えしたいです。
一緒に学んでいきましょう!
このブログが、あなたの理解を深め、行動につなげる“後押し”になれば嬉しいです。
そして、この記事を読んだあなたと一緒に、ケアの質を少しずつでも向上させていくことが私の願いです。
現在は『毎日1ポスト』を目標に、毎朝6時頃にポストしています。
最新の気づきや学びをリアルタイムで発信中です。ぜひお気軽に遊びに来てください!(@slw_abe)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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