いきなりですが、人は独りでは生きていけません。
家族、友人、職場の同僚、上司、お客様、取引先の方のほか、地域の方やお店の店員さん、郵便屋さんに配達員さん、行政窓口の方など、社会生活を営む上で少なからずとも、必ず他者との接点や関わりがあります。
その全ての関係者の方々と、良好なコミュニケーションが図れることが望ましいとは思いますが、やはり人対人ですので、性格の違いや相性もあり、必ずしもそうはいかないものです。
あなたも一度は、
・人間関係に疲れた。
・人間関係はめんどくさい。
・人間関係がうまくいかない。
と思ったり、悩まれたことがあるのではないでしょうか。
私自身も、学生時代は、他者とは目を合わせられず、人前に立つと赤面してしまうほど、人と関わるのが苦手でした。
ですが、社会人になって数十年たった今では、「これ以上の業界はない」と言えるほど人と人が密接に関わる介護業界で、職場の同僚はもちろん、利用者様、利用者様のご家族、ケアマネさんなど、延べ1000人以上の方々と直接対面し、たくさんの相談を受けるまでになりました。
この記事では、そのような私が、社会経験を積む中で出会い、衝撃を受けて何度も何度も繰り返し読んでいる一冊の書籍を紹介します。
座右の書
この記事でご紹介する書籍は、
『7つの習慣』
です。
この書籍は、自己啓発やリーダーシップの書籍として非常に有名な作品の一つなので、知っている方はとても多いでしょう。
対人コミュニケーションスキルとリーダーシップを学ぶならこの一冊でOK
一般的に、この書籍に興味を持つ人は、自己啓発やリーダーシップに関心を持っている人や、自己改善や目標達成に興味を持っている人が多いです。
具体的には、以下のような方々が挙げられます。
- 自分自身の成長や成功について考えている人
- リーダーシップのスキルを高めたいと思っている人
- 人間関係やコミュニケーションのスキルを向上させたいと思っている人
- 自己啓発やスピリチュアルなアプローチに興味を持っている人
- 目標を達成するために自分自身の習慣や思考を改善したいと思っている人
- ビジネスや組織において、より成果を上げたいと思っている人
- 人生の方向性や意義について深く考えたいと思っている人
このように思われている方々が、『7つの習慣』に興味を持ち、学ぶことで、より良い自己実現や人生を送るためのヒントやアプローチを得ることができます。
この書籍は、スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれた書籍で、以下の7つの習慣を提唱しています。
第1の習慣:主体的である
第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
第3の習慣:最優先事項を優先する
第4の習慣:Win-Winを考える
第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣:シナジーを創り出す
第7の習慣:刃を研ぐ
「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)より
これらの習慣を身につけることで、自己成長や人間関係の改善、仕事やプライベートの成功などにつながるとされています。
この書籍が私の【座右の書】となったきっかけ
私自身がこの書籍に出会ったのは2015年です。
この年は、利用者定員70名規模のショートステイで、40名の職員がいる管理者を任せられた年でした。
当時、私が引き受けた責務は、これまでの自分の経験だけでは絶対に務まらないを思い、介護関連の専門書のほかに、ちょうどビジネス書を読み始めた頃でした。
そして、あるビジネス書の中で紹介されていたのが『7つの習慣』でした。
興味本位ですぐに書籍を購入し読み始めましたが、実はこの書籍のボリュームに圧倒され、何度も挫折しました。
なぜなら、この書籍のページ数が500ページを超えているからです。
それまで、漫画の吹き出しの文字ですら億劫で読まなかった私が、いきなり500ページを超える書籍を読もうとするわけですから、当然といえば当然です。
とはいえ、せっかく読み始めたのに途中で止めるのも嫌だったので、意地でも読み切ってやろうと思い、半年ほどかけて読み切りました。
内容は、読み進める中で実践できるものが多く、習慣の改善が図れるものは、どんどん日常生活に取り入れていきました。
ですが、当時の私にとっては、書いてある内容が難しいと感じる部分も多く、一回読んだだけでは全体像が十分に理解できませんでした。
なので、ネットなどで概要や要約している記事を読みあさり、理解を深めました。
その中であることに気がつきます。
私が手にした書籍は、2014年に出版されたフランクリン・コヴィー・ジャパンが和訳した『原著発刊25周年記念の完訳版』で、実はもっと前、1996年にジェームス・スキナー氏と川西 茂氏が和訳した『7つの習慣ー成功には原則があったー』という書籍もあるということです。
とても興味深く、こちらの書籍も読みました。
そもそも原著の和訳なので、それぞれ和訳の目的やねらいが異なり、日本語の表現の違いが面白く、繰り返し読んでいるうちに、いつの間にか500ページ超えの書籍に抵抗がなくなりました。
そして私自身、この書籍で提唱している概念を実践し、いつの間にか生活スタイルや視点が大きく変わりました。
まさに私にとって【座右の書】となりました。
その後私は、ビジネス書だけで最低でも100冊以上は読みましたが、特に最近の書籍は、内容のボリュームよりも、読みやすさが重視されているように思います。
ですので、極論として、200ページ程度の適当なビジネス書を10冊読むより、体系的にまとめられた「7つの習慣」一冊で、充分学びを深められると思います。
介護業界に『7つの習慣』を取り入れよう!
私は介護業界にこそ、この概念を取り入れるべきだと考えます。
『7つの習慣』の内容を介護業界に関連付けると、以下のような考え方が生かされると言えます。
1.「主体的であること」
介護現場では、予測できない状況が発生することが多く、その場に即座に対応できる能力が求められます。
1つ目の習慣である「主体的である」は、自分自身をコントロールし、積極的に行動することができる能力を養うことを意味します。
介護職員が主体的な姿勢で、問題解決に取り組むことで、より良いケアが提供できるようになるでしょう。
2.「始める前に終わりをイメージすること」
介護現場では、時間や人手に限りがあるため、業務効率や生産性を高めることが重要となります。
2つ目の習慣である「終わりを思い描くことことから始める」は、自分が目標とする結果を明確にし、それに向けて計画的に行動することを意味します。
介護職員がそれぞれの目標を明確化することで、生産性を高めることができます。
3.「優先順位を決める」
介護現場では、利用者様の生活の場を支える上で、やるべきことが非常に多くあるので、優先順位を決めることが必要です。
例えば、緊急時の対応や利用者のケアが優先されます。
3つ目の習慣である「最優先事項を優先する」は、優先順位を決めることで、より効果的な仕事ができることを意味します。
介護職員が仕事の優先順位やスケジュールを考慮し、計画的に業務に取り組むことで、効率的に業務をこなすことができるでしょう。
4.「Win-Winの思考」
介護現場では、施設の同僚、上司、利用者や家族、ケアマネージャーなど、様々な関係者と関わり合うため、Win-Winの思考が求められます。
4つ目の習慣である「Win-Winを考える」は、自分だけでなく相手も幸せにする解決策を見つけることを意味します。
介護職員が利用者や家族のニーズを考慮しながら、自分自身や施設のニーズもバランスよく満たすことができると、より良いWin-Winの関係を構築できるでしょう。
5.「相手を理解すること」
介護現場では、利用者や家族のニーズや要望を理解し、的確なケアを提供することが求められます。
5つ目の習慣である「まず理解に徹し、そして理解される」は、相手の立場や気持ちを理解し、コミュニケーションを円滑にすることを意味します。
介護職員が利用者や家族の気持ちを理解し、コミュニケーションを密に行うことで、より良いケアを提供することができるでしょう。
6.「相乗効果を発揮する」
介護現場では、何よりチームワークが求められます。
6つ目の習慣である「シナジーを創り出す」は、個々の能力を最大限に引き出し、相互補完的な働きをすることで、より良い結果を生み出すことを意味します。
介護職員がチームワークを大切にし、お互いの強みを生かしながら、より良いケアを提供することができるでしょう。
7.「持続的な改善をする」
介護現場において、持続的な改善を行うことが必須です。
7つ目の習慣である「刃を研ぐ」は、全ての習慣を継続的に繰り返すことで、その効果性を高めることを意味します。
日々変化する利用者の状況に合わせて、ケアプランの見直しや施設の運営を改善する必要があります。
と同時に、介護スタッフのスキルアップや職場環境の改善も必要です。
持続的な改善を行うことで、より良いケアを提供することができます。
「継続は力なり」という格言があるように、持続的な改善に終わりはありません。
以上のように、『7つの習慣』の考え方は、介護業界においても非常に有用であることが分かります。
介護職員のみならず、介護業界に携わるどなたでも、これらの習慣を取り入れ、日々の業務に活かすことで、より良いケアの提供と業界全体の質の向上が図れるようになるでしょう。
まとめ
『7つの習慣』がもたらす影響力を感じ取って頂けたでしょうか。
この記事の内容をまとめると、以下の通りです。
・一般的に、この書籍に興味を持つ人は、自己啓発やリーダーシップに関心を持っている人や、自己改善や目標達成に興味を持っている人が多い。
・この書籍に興味を持ち、学ぶことで、より良い自己実現や人生を送るためのヒントやアプローチを得ることができる。
・この書籍は、スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれた書籍で、タイトルの通り効果的な7つの習慣を提唱している。
・これらの習慣を身につけることで、自己成長や人間関係の改善、仕事やプライベートの成功などにつながる。
・介護業界においても、非常に有用である。
・介護業界に携わるどなたでも、これらの習慣を取り入れ、日々の業務に活かすことで、より良いケアの提供と業界全体の質の向上が図れる。
今すぐこの書籍を読んでみたくなりましたか?
それとも、
「言ってることはわかるけど、さすがにいきなり500ページ超えの本は抵抗あるなぁ・・・」
と思われましたか?
そのように思われた方は、実はこの書籍関連の本がたくさん出ており、マンガ盤も出ています。
この書籍が提唱する概念に初めてふれる方は、マンガ盤から読むのもオススメです。
最後に、
日常生活は、習慣によって成り立っています。
どのような習慣を身につけるかは、自分次第です。
私はこれからも、より効果的な習慣を身につける努力を続けます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
【参考文献】
「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)
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